研究者詳細

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  • 教員氏名
    長谷川 守文(はせがわ もりふみ)
    専攻
    食生命科学科
    学位
    博士(農学)
    経歴

    東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 博士課程修了

    茨城大学学術研究院応用生物学野 教授

    (担当:農学部、大学院農学研究科)

    (兼務:東京農工大学大学院連合農学研究科)

    専門分野
    生物有機化学
    主な業績

    Katsumata, S.; Toshima, H.; Hasegawa, M. Xylosylated detoxification of the rice flavonoid phytoalexin sakuranetin by the rice sheath blight fungus Rhizoctonia solani. Molecules 2018, 23, 276, DOI: 10.3390/molecules23020276.

    Horie, K.; Inoue, Y.; Sakai, M.; Yao, Q.; Tanimoto, Y.; Koga, J.; Toshima, H.; Hasegawa, M. Identification of UV-induced diterpenes including a new diterpene phytoalexin, phytocassane F, from rice leaves by complementary GC/MS and LC/MS approaches. J. Agric. Food Chem. 2015, 63, 4050–4059, DOI: 10.1021/acs.jafc.5b00785.

    Inoue, Y.; Sakai, M.; Yao, Q.; Tanimoto, Y.; Toshima, H.; Hasegawa, M. Identification of a novel casbane-type diterpene phytoalexin, ent-10-oxodepressin, from rice leaves. Biosci. Biotechnol. Biochem. 2013, 77, 760–765, DOI: 10.1271/bbb.120891.

    Hasegawa, M.; Mitsuhara, I.; Seo, S.; Imai, T.; Koga, J.; Okada, K.; Yamane, H.; Ohashi, Y. Phytoalexin accumulation in the interaction between rice and the blast fungus. Mol. Plant-Microbe Interact. 2010, 23, 1000–1011, DOI: 10.1094/MPMI-23-8-1000.

    その他

    日本農芸化学会所属

    植物化学調節学会所属

    日本農薬学会所属

    研究キーワード
    病原菌化学構造イネ

植物が自らを病気から守るために作る抗菌性物質ファイトアレキシン

  • ヒトのような高等動物は病原体から身を守るために抗体や白血球などによる免疫システムを持っています。一方、植物は同様の免疫システムは持っていませんが、植物免疫とも呼ばれる巧妙な生体防御機構を持っています。その生体防御機構の一つとしてフィトアレキシンがあり、これは病原菌感染時に新たに植物体内で生合成される低分子抗菌活性物質です。フィトアレキシンの化学構造は植物の種類によって様々であり、例えばイネのフィトアレキシンは現在 30 種類以上が知られています。茨城大学農学部でのイネのフィトアレキシンに関する研究は 1980 年代から始まった歴史が長い研究で、多くのフィトアレキシンを発見しています。植物の重要な病害抵抗性機構の一つであるフィトアレキシンについての研究は、病気に強い作物の育種や植物を病気に強くする農薬の開発などに繋がる可能性があります。

  • イネのフィトアレキシンとして発見した ent-10-オキソデプレッシン。イネの重要な病原菌であるいもち病菌に対して強い抗菌活性を示します。この化合物は、植物ではトウダイグサ科のみで作ることが知られていた珍しい構造のジテルペン骨格であるカスベン骨格を持っています。

  • 画像1その1
  • イネのフィトアレキシンの一つであるフラボノイドのサクラネチンは、イネの重要病原菌である紋枯病菌(Rhizoctonia solani)によって抗菌活性の低い化合物に代謝されます。イネの病原菌はイネが作るフィトアレキシンによる攻撃をある程度回避できるように進化してきたのではないかと考えられます。

  • 画像2その1

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