Research
研究紹介

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• 教員氏名

  中村　彰宏（なかむら　あきひろ）

  専攻

  食生命科学科

  学位

  博士（農学）

  経歴

  広島大学大学院 生物圏科学研究科 博士課程前期修了

  不二製油グループ本社株式会社 研究開発戦略グループ グループリーダー

  茨城大学学術研究院応用生物学野 教授

  （担当：農学部、大学院農学研究科）

  （兼務：東京農工大学大学院連合農学研究科）

  不二製油グループ本社株式会社 上席執行役員 最高技術責任者 (CTO) （兼職）

  専門分野

  食品保蔵学・食品製造学

  主な業績

  2002年 食品微細科学研究会 優秀賞受賞

  2006年 農林水産省 若手農林水産研究者表彰（農林水産技術会議会長賞）受賞

  Iida, M., Tsuda, S., Kikuchi, M., Samoto, M., Adachi, N., & Nakamura, A., “Extraction of water-soluble polysaccharides from lupin beans and their function of protein dispersion and stabilization under acidic conditions,” International Journal of Biological Macromolecules, 2024年10月.

  Tran, M.T., Nakamura, A., Li, R., & Corredig, M., “Pea soluble polysaccharide improves stability of acidic pea protein dispersions,” Food Hydrocolloids, 2024年02月.

  その他

  日本食品科学工学会、日本農芸化学会所属

  公益社団法人 不二たん白質研究振興財団 評議員（2022─現在）

  豆類の百科事典, 中村 彰宏, 朝倉書店（2024）

  Handbook of Hydrocolloids 3rd edition, 中村 彰宏, CRC Press（2020）

  研究キーワード

  食料・食品食料・食品流通食品加工

農産食資源を使い切る！ 食品未利用資源からの新規な食品添加物・食品多糖類の創出

• 食品産業界において地球の気候変動への対応や環境に配慮した「ものづくり」は必須の要件になっています。私たちの研究室では環境負荷が少ないとされる植物性食資源に注目し、さらにタンパク質、炭水化物、脂質など栄養成分を分離して残る副産物（食品未利用資源）の高度利用を目指した研究に取り組んでいます。具体的には、様々な食品未利用資源に含まれる水溶性の食物繊維（食品多糖類）を効率良く抽出する技術の開発、抽出した食品多糖類の「食品機能素材」としての実用化を目指し、加工食品における物性機能の解明と保存時の品質評価に関する研究です。例えば、飲むヨーグルトのタンパク質の凝集と沈澱を抑制する機能（分散安定化）、パンの食感改良や保存時の硬化を抑制する機能（老化防止）、食品香料の油滴の微細化（乳化活性）と分散（乳化安定）、並びに香気成分を徐放する機能など、身近な食品を対象に食品多糖類が持つ機能特性を科学的に解析しています。

• 抽出した多糖類が新規物質か？その解明の第一歩は分析です。当研究室では様々な分析機器を用いて多糖類の分析を行っています。質量分析器や多角光散乱検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーで多糖類を構成する糖の種類と構成比、分子の大きさ（質量平均分子量）、分子の形状（球状？直鎖状？分岐あり？など）を明らかにします。世界初！？が明らかになる、最もワクワクする瞬間です。

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• 実験室では所属学生が食品未利用資源からの多糖類の抽出、成分の分析、加工食品の試作と品質評価に取り組んでいます。既存多糖類の品質評価も楽しいのですが、未利用資源から自分たちが抽出した多糖類の機能評価は格別です。将来、食品産業界で実用化されることを夢見て、日々研究に取り組みます。

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