千葉大学大学院 工学研究科 修士課程 修了
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
茨城大学学術研究院応用生物学野 教授
(担当:農学部、大学院農学研究科)
(兼務:東京農工大学大学院連合農学研究科)
日本農薬学会業績賞(技術)・日本分析化学会関東支部新世紀賞・クロマトグラフィー科学会奨励賞 他
Analytical Sciences, 37, 1625 (2021) 他
試薬関連JIS原案作成委員会委員 他
食品に含まれる有害物質のリスクを管理するためには、その物質がどれくらい含まれているかを分析する“食品分析”が不可欠です。しかし、現在使用されている食品分析法には様々な問題点があります。そこで、残留農薬などの有害物質を主なターゲットとして、食品分析を“より迅速に”、“より安全に”、“より正確に”するための研究開発に取り組んでいます。
[グリーンな食品分析法の開発]食品分析では、分析試料の前処理操作やクロマトグラフィーなどの機器分析において、有害な有機溶媒を使用します。そのため、環境や分析者へのリスクが無視できません。私たちは、水を高圧にしながら100℃以上に加熱すると、有機化合物の溶解力が増加することに着目しました。この状態の水(超高温水)を有機溶媒の代替に使用した超高温水抽出法(SWE)や超高温水クロマトグラフィー(SWC)など、“グリーン”な食品分析法の開発に取り組んでいます。
[正確な食品分析のための技能試験]食品分析の分析結果は本当に正しいでしょうか? 正しい分析結果を得るために、試験所(分析機関)は技能試験に参加する必要があります。技能試験では、複数の試験所が同じ分析試料を分析して結果を比較することで、自所の技能を客観的に評価できるのです。私たちは、下痢性貝毒分析の技能試験を主催するために、分析試料の調製法や貝毒の正確な分析法を研究しています。