慶応義塾大学大学院理工学研究 理学専攻 博士課程修了
茨城大学学術研究院応用生物学野 教授
(担当:農学部、大学院農学研究科)
(兼務:茨城大学地球・地域環境共創機構(GLEC)機構長)
2000年度農芸化学奨励賞受賞(日本農芸化学会)「植物の病害および生理機能に関与する生理活性物質の合成研究」
"Biomimetic Cyclization of Epoxide Precursors of Indole Mono-, Sesqui- and Diterpene Alkaloids by Lewis Acids", Tetsuya ISAKA, Morifumi HASEGAWA, Hiroaki TOSHIMA, Biosci. Biotechnol. Biochem., 75, 2213–2222 (2011).
"Stereoselective Synthesis of a Promising Flower-Inducing KODA Analog, (9R,12S,13R,15Z)-9-Hydroxy-12,13-methylene-10-oxooctadec-15-enoic Acid", Shin SHIMOMURA, Shuho OYAMA, Kyohei NAKANO, Morifumi HASEGAWA, Hiroaki TOSHIMA, Biosci. Biotechnol. Biochem., 77, 1354–1357 (2013).
"Xylosylated Detoxification of the Rice Flavonoid Phytoalexin Sakuranetin by the Rice Sheath Blight Fungus Rhizoctonia solani", Shun Katsumata, Hiroaki TOSHIMA, Morifumi HASEGAWA, Molecules, 23, 276 (2018).
日本農芸化学会所属
日本農薬学会所属
日本化学会所属
植物化学調節学会所属
有機合成化学協会所属
生物は自身の生命活動を維持するために様々な生理活性物質(ビタミン、ホルモン、神経伝達物質などの有機化合物)を作ります。また、他の生物に作用を及ぼす生物活性物質(抗生物質、抗ウイルス活性物質、殺虫活性物質、神経毒などの有機化合物)も作っています。それらの有機化合物が生物体内でどのような情報として働き、生命現象や生命活動に関わっているのでしょうか。その解明と有効利用を目的として、対象とする有機化合物を化学合成で作ります。さらにそれをリード化合物として様々な修飾を行い、より強い活性をもち、副作用の少ない化合物を作りだします。また、対象とする有機化合物は生物のもつ受容体(タンパク質)と相互作用することで情報として働きます。その仕組みを解明するために、可視化や高感度検出が可能な化学構造を組み込んだ有機化合物も作ります。
日夜、実験室内のドラフトチャンバー(局所排気装置)内で有機合成を行っています。フラスコ内に原料となる有機化合物、反応を促進する試薬、溶媒などを入れ、温度制御しながら撹拌しています。空気中の酸素や水の混入を防ぐために、反応は窒素気流下で行っています。風船の中に窒素を溜めて、反応系内の空気を予め窒素に置換しています。
合成した化合物の構造を解析するために核磁気共鳴(NMR)分光計でNMRスペクトルを測定します。数ミリグラム程度の合成した有機化合物を重水素化溶媒(0.5 mL)に溶解して測定することで、有機化合物中の水素と炭素の構造情報が得られ、構造式を導き出せます。