東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 博士課程修了
独)農業生物資源研究所 遺伝子組換えセンター 昆虫機能研究開発ユニット 日本学術振興会特別研究員
東京農工大学 大学院生物システム応用科学府 助教
茨城大学学術研究院応用生物学野 准教授
(担当:農学部、大学院農学研究科)
(兼務:東京農工大学大学院連合農学研究科)
2012年 第7回トランスポーター研究会年会 優秀発表賞
2011年 日本農芸化学会関東支部 若手奨励賞
Masuko & Kikuta, 2024. Applied Entomology and Zoology
Mizutani et al., 2024. PNAS
Takenaka et al., 2023. BMC Research Notes
日本農芸化学会所属
日本応用動物昆虫学会所属
日本農薬学会所属
私は特定の害虫のみにみられる生体内の分子や遺伝子のはたらきをしらべています。農薬の標的となるのは、害虫のタンパク質であることが多くあります。ミツバチなどの有益な昆虫にも害虫と同じようなタンパク質をもっていることがあります。こうした農薬は、害虫だけではなく、ミツバチ等に対しても効いてしまう可能性があります。近年は、様々な生物のゲノムや遺伝子情報の多くが共有されてきています。ゲノムや遺伝子レベル、タンパク質の機能をしらべて、狙った害虫にだけに効く農薬の作用点に関する研究がしやすくなってきています。目的遺伝子やタンパク質の性質がわかった後、大規模な薬の探索を行います。遺伝子工学的あるいはタンパク質工学的手法を用いて、この探索に用いるツールの開発も行っています。
昆虫の体内は、ヒトと比較的似ていて、腸や肝臓に相当する組織があります。組織は細胞からできているのですが、タンパク質は、外部から細胞膜を透過できずに体液中に止まります。もし、組織細胞内に任意のセンサーなどのタンパク質やゲノム編集で使われるCas9タンパク質を導入できれば、昆虫体内のことをくわしく調べることができるようになります。こちらの画像は、蛍光タンパク質に、細胞膜透過ペプチドを付加することで、アブラムシの腸に導入できた結果です。生きたままの昆虫への導入は初めてでした。この研究は、指導学生の卒業研究の成果で、世界中の人に知ってもらえるように論文として発表しました。この学生さんの努力なしには成し得ないと思います。