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修了生からのメッセージ

修了生から大学院農学研究科へ進学を検討している学部生に向けたメッセージを紹介します。

永尾 美紗登(ながお みさと)

実践農食科学コース令和6年3月修了

進学先
東京農工大学大学院 連合農学研究科 博士課程1年 応用生命科学専攻
実践農食科学コース修了生

私は入学当初から大学院への進学を決めていました。元から生物に興味があったことも理由の一つですが、最も大きな理由は本校オープンキャンパスで自らの研究を生き生きと目を輝かせて説明する先生方にお会いしたことです。この輝きはどこから来るものなのかを知りたい、自分の身でもその感覚を味わいたいと思いました。

学部は教養や専門分野の基礎を学ぶ時期であり、研究室に配属された後も授業があるため、研究活動に充てられる時間は非常に限られています。研究室で基本的な実験操作や知識を必死に学んでいる内にあっという間に卒業の時期が訪れます。

修士課程では学部より専門性の高い授業と研究に充てられる時間を得ることができます。入学後は主に研究活動に集中できるようになり、自らの研究テーマにより真摯に取り組めるようになったことを実感しました。また、先生方や学生同士の討論を通じて新たな知見を得ることで自らの見識が広がっていきました。修士課程での様々な活動を通して、自らの未熟さを痛く感じる場面も多々ありますが、それを糧に成長していくことができる貴重な機会を得られるということでもあります。こうした経験は専門分野に限らず、多くの事に共通して役立つと感じています。

修士課程を終えた今、先生方の目の輝きの源について考えると、研究を通じて物事の本質を理解することの喜びと、それを自らのアイデアと結びつけて新しいものを創り出す喜び・期待から来ているのだと感じています。この感覚を先生方のレベルまでとはいかなくとも、自分の身で感じられた経験は非常に尊いものであると思います。進学を考えているあなたにも、修士課程での経験が大きな成長に繋がっていくと信じています。

阿部 初紀(あべ はつき)

応用植物科学コース令和5年3月修了

勤務先
福島県農業総合センター果樹研究所
主な業務
果樹の新品種育成に関する試験研究
応用植物科学コース修了生

大学院では、応用動物昆虫学研究室に所属し、ハダニの分類に関する研究を行いました。

私は大学入学当初から、大学院進学を進路の選択肢のひとつに考えていました。それは研究職への憧れもありましたが、「自分は将来何がしたいのかをイメージできていないから選択肢を増やしておきたい」というのが正直な理由でした。

研究室に所属し、卒業研究を進めるうちに修士課程への進学を決意しました。研究を始めると、学んできた知識を組み合わせることで、新たな発見があることに感動したからです。疑問が浮かび、調べたり考えたりするなかで視野が広がっていくことを実感できました。

修士課程では、自らの研究を進めるだけでなく、学部生に研究の進め方を指導する機会もあり指導力を鍛えられました。思い通りにならずに落ち込むことや、周囲と自分を比べてプレッシャーを感じることはたくさんありましたが、これらを乗り越えた経験が現在の自信につながっていると感じています。

皆さんへ伝えたいことは、「自分の好奇心に、とことん向き合ってみてほしい」ということです。気になったらすぐに調べたり考えたりする習慣を持つと、その結果がどこかで役立つことがあるはずです。たとえ思った通りの結果が得られなかったとしても、原因を考えることが次の研究のきっかけになります。振り返ると、修士課程の2年間は想像していたより短いものでした。皆さんが農学研究科で有意義な時間を過ごせることを願っています。

八木岡 敦(やぎおか あつし)

地域環境科学専攻(現 地域共生コース)平成25年3月修了

勤務先
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
主な業務
作物栽培技術に関する研究開発
地域共生コース修了生

大学院への進学を検討している学部生に伝えたいメッセージとして、大学院は研究に没頭できる場であると同時に、自分の興味のあることにチャレンジできる場でもあるということです。

私は学部時代から附属農場の研究室に所属しており、そこで圃場での栽培研究に興味を持ったことがきっかけで大学院への進学を決めました。圃場での栽培研究に本格的に取り組むには複数年を要しますので、大学院進学により腰を据えて栽培研究に取り組めたのは非常に有意義でした。今振り返ると、大学院時代は、圃場試験や農作業に明け暮れていたように思います。そこでの経験は、農業研究機関に就職し、作物栽培研究に携わる自分のキャリアの礎となっています。阿見キャンパスは、隣接する附属農場に広大な研究圃場をもっており、実際に作物に触れながら研究ができる環境にあります。また、大学から少し外に出れば、実際の農業現場や霞ケ浦などの特色のある地域環境が広がっており、地域の課題解決を目指す農学研究に取り組むには最高の環境がそろっています。その恵まれた環境を最大限生かしていただきたいと思います。

大学院では、国際感覚を養うことも大事だと思います。私は、大学院時代にインドネシアの大学で行われる短期海外研修(サマーコース)に参加しました。その経験は海外の農業に目を向けるきっかけとなりました。また、大学院時代には、留学生と積極的にコミュニケーションをとることも心がけていました。私自身、留学生との会話や議論を通じて学んだことはとても多く、英語での発信力向上や異文化理解、さらには自分の視野を広げることにもつながったと実感しています。大学院には多くの留学生が在籍しておりますので、ぜひ積極的に話しかけてください。

最後になりますが、これから大学院に進学される方には、ぜひ行動力をもって自分の興味のあることに積極的にチャレンジしていただき、大学院で自分の視野と可能性を大きく広げていただくことを期待します。